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新聞への掲載④

- 2024年7月号 -

先日(5/17)、神奈川新聞の朝刊へ文章を掲載させて頂きました。

 

今回は歯科の治療回数に関する質問を選ばせていただきました。せっかくですのでトピックに掲載記事および原稿文章を掲載させて頂きます。

 

(掲載記事)

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(原稿)

Q:風邪をひいて内科に行っても1~2回ぐらいで終わります。他の病院でも数回行くことで治るのに、なぜ歯科だけ治すのにこんなに回数がかかるのでしょうか。

 

A:この質問は歯科関係ではない友人などから何度も聞かれたことがありますので、おそらく多くの方が同じ疑問をお持ちだと思います。

確かに風邪をひいて内科に行くと診察して薬を頂いて終了、もしくは2~3回通院すれば済んでしまうことが多いと思います。風邪の場合、自己免疫により自らの力で治癒させることが可能で、もらった薬は回復の手助けに過ぎず、あとは無理をせず休養をとることで通常は治癒します。

しかし、処置が必要な大きさの虫歯の場合、放置しても決して自然治癒しません。進行して悪化する一方です。

また、銀歯をかぶせる時を思い出してください。例えば洋服のように大まかなサイズの歯をそろえておいて、それをくっつけるということはしません。歯の型をとり技工士さんにその歯に合うように作ってもらい、それを調整・装着します。それぞれの歯やかみ合わせに合わせてすべてがオーダーメイドなのです。オーダーメイドで洋服を作ったことがある方なら形・色を決め生地を決めたり寸歩を測ったりと、既製品の服を買うより何倍も大変なのはご理解いただけると思います。

また、歯科で回数がかかる代表例として、根の先端に膿をためているもの(根尖病巣)があります。この場合、膿をためている空間は本来、骨があった部位ですので、歯の治療というより骨の治療と考えてください。もちろん、原因が歯にありますので歯から治療を行いますが、骨を溶かしているバイ菌を薬で退治しているわけですから自然と期間と回数がかかります。

虫歯以外に歯周病などがあった場合は被せる前に歯周病を安定させねばなりません。なぜなら被せる部分の歯肉が腫れたり出血があったりすると、きれいな型取りができず、しっかりとした物が作製できないからです。また、土台の具合が良くないのに歯を被せても持たないからです。例えば、家を建てる時に沼地を選ぶでしょうか?できるだけ地盤がしっかりした土地、もしくは地盤の改良をしてから建てると思います。歯の治療でも同じことが言えます。

このような事情があるためどうしても歯科では治療回数が増えてしまいます。

ですから極力少ない来院回数で治療を済ませる最もよい方法は少なくとも年に1~2回の検診を受けることだと思います。痛みが出てから病院に行くのではなく、日頃から予防を主体として、大きなトラブルを抱える前に、治療を行うことが最も良い方法だと考えます。

 

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