新聞への掲載⑥
- 2025年2月号 -
先日(1/28)、神奈川新聞の朝刊へ文章を掲載させて頂きました。
今回は歯ブラシの選び方に関する質問にさせていただきました。せっかくですのでトピックに掲載記事および原稿文章を掲載させて頂きます。
(原稿)
Q::スーパーやドラッグストアーに行くと歯ブラシがたくさん置いてあり、どれを選んでよいかわかりません。どのように選べばよいでしょうか。
A:これは日々の臨床の中で多くの患者さんから質問をされます。年齢や歯並び、口の大きさ、歯の状況など人それぞれ異なりますので、必ずしも次に記載したものが皆さんに合うというわけではありませんが、参考になればと私の考えの一部を記載しました。
- 毛の硬さ
毛の硬さには「やわらかめ」「ふつう」「かため」があります。基本的には「ふつう」をお勧めします。
「かため」はプラーク(歯垢)の除去能力は高いですが歯ブラシを当てる位置や当て方、横振りの幅、持つ力や磨く力などが適切でないと、歯茎や歯を痛めてしまい歯肉を退縮させたり歯が削れたりなど、歯や歯茎を痛めてしまう可能性があります。またプラークは粘着性があり、柔らかい毛先では十分な清掃が難しい可能性がありますので通常は「やわらかめ」もお勧めしません。ただし、歯周病がかなり進行した方や外科処置を行った場合にお勧めする場合があります。
- ヘッドの大きさ
ヘッドの大きさに関しては、小さいサイズのものをお勧めしています。一般的に磨き残しが多い部分は「奥歯」と「歯の間」といわれ、奥歯に関しては歯ブラシがしっかり届いていないことによる磨き残しを非常に多く認めます。日本人は口の大きさが小さいため(特に女性)、ヘッドが小さいものをお勧めしています。
③ 毛先の形
毛先の形は大きく分けると少し丸みを帯びた「ラウンド(円状)」、先が細くなった「テーパード」に分かれます。個人的にはラウンド(円状)をお勧めすることが多いです。プラークは粘着性があるためそれを落とすにはしっかりと毛先に力が伝わる必要があり、そのためにはラウンド(円状)が最も適すると考えています。毛先が細くなったテーパードは毛先が歯肉の縁やポケット内部に届きやすく歯周病予防に効果が高いとされています。しかし、テーパードでは毛先が細いためラウンドに比べプラークの除去能力が劣ってしまいます。一つの歯ブラシでテーパードとラウンドが合わさったものもありますので、そのようなものを使用するのもよい方法だと思います。
最初にも記載しましたが、お口の中の状況は人それぞれですので、参考程度にしていただき、詳しくはかかりつけ医とご相談いただければと思います。