ストローマンインプラントという頑固親父
- 2015年11月号 -
当院は基本的にストローマン社製のインプラントを使用しています。
現在ではインプラントのメーカーは非常に多く、100種類以上のインプラントがあるようです。
世界シェアで見ますと、1位ブローネンマルク、2位ストローマン、3位アストラ、その他ずーっと続くわけです。
では、なぜ当院では1位のブローネンマルクではなく、2位のストローマンを使用しているのか?
インプラントとして信用がおけるのはもちろんの事、ストローマンの姿勢が頑固親父のようで何となく共感を抱いてしまうそんな理由です。
私がインプラントを勉強し始めた10年以上前だと、2回法のブローネンマルク、1回法のストローマン、この2社が世界シェアの圧倒的多数を占めていました。(2回法とは外科処置が2回、1回法とは外科処置が1回必要という事です)
当時、勤務していた医院がストローマンを使用していたこと、外科処置はできるだけ少ない方が組織への侵襲が少ないだろうという事で、ストローマンを選んだわけです。
最初は問題なかったのですが、経験を重ねインプラント手術の難易度が上がっていくにつれて、1回法のストローマンでは逆に難しい症例が出てきました。
もちろん、今でも通常の症例に関しては、1回法のストローマンインプラントを使います。
そちらの方が問題は起きにくいと感じます。
しかし、審美性の高い前歯や、大きく骨を再生させるときなど2回法のインプラントで1回目の時は完全に歯肉内に入れてしまった方がより安心できます。1回法のインプラントでもできるのですが、少しコツが必要となります。
はやく2回法のタイプも出せばいいのに!と、ずっと思っていました。
シェアが最もおおいブローネンマルクも良いインプラントですから、そちらに変えようかな?とも考えていました。
臨床研究を繰り返し繰り返し行い、やっと2回法のタイプが出てきたのがつい数年前の話です。
他のインプラントの形をまねて、さっと商品化してしまうメーカーもあります。
営業マンがインプラントの紹介にきて、まず料金の説明をするメーカーもあります。インプラントの性能に関しては全く触れずに。
そんな中、ここまでしっかり調べるか?海外では実用化を数年前からしてるのに。頑固親父か!と思ってしまうのですが、石橋をたたいて渡るそんな姿勢が結局好きで、当院はストローマンインプラントです。