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口臭に関して(3)

- 2015年3月号 -

引き続いて、口臭に関して説明していきたいと思います。

口臭の分類とその解説を行いましたので、今回はその原因と対策に関して説明していきます。

 

口臭の原因と対策

口臭の原因も様々あります。よって、前述した分類に分けて少し考えてみます。

 

1 生理的口臭

主な原因は様々な状況における唾液の分泌量の低下によって誰にでも生じうるものです。気にしないで大丈夫です。

と、これですめば解決なのですが、なかなか口臭を気にされている方の場合、これでは済まない場合が多いので、一つアドバイスを。

喉が渇いた→水を飲む のではなく、生理的な欲求以外である程度時間を決めて、コップ一杯の水を飲んではどうでしょうか。例えば、朝10時と夕方4時に飲むと決めるなど。

唾液も水分です。当然ながら体内の水分量が不足してくれば、唾液の分泌量も相対的に減ってしまいます。もちろん、唾液の分泌は、自律神経に支配されていますが、水分を取ることによって唾液が出やすい環境になります。

そして、唾液の分泌が十分あれば、この生理的な口臭というのはかなり減らすことができると思います。

 

お茶は、食後の口臭を一時的に緩和する場合は有効ですが、唾液の分泌を抑える作用があるため、このやり方で飲む場合は避けたほうが良いと思います。

コーヒーも同様に一時的な作用はありますが、口臭を強くする働きがあるそうなので避けたほうが良いと思います。

また、うがいを頻繁にされるケースがあるようですが、それも一時的なもので、結果として口腔乾燥を助長します。

 

ただし、上記は生理的口臭の話です。他に原因がある3のような場合は、軽減できてもなくすことは難しいと思ってください。

 

補足

なぜ、口臭予防としての水分補給がお茶ではだめなのか?

 

お茶にはカテキンが含まれており、それによる防臭効果が考えられます。また、忙しい仕事を終えた後など、お茶で一服などリラックス効果も持っています。

では、なぜ今回お茶ではだめなのでしょうか?

お茶に含まれるカフェインやテオフェリンには利尿作用があり、当然ながら尿の排出が多くなります。その結果、体内の水分量は低下し、唾液の分泌量が少ない人では、口腔乾燥を悪化させる可能性があります。

緊張を緩和し、一時的に口臭を抑制するという目的においてはお茶やコーヒーは素晴らしい飲み物だと思いますが、今回は口臭予防として水分量を増加させるのが目的のため、その飲み物としてお茶やコーヒーはふさわしくないと考えます。

実は、口臭治療専門の先生が唾液分泌量の上昇のため推奨している水分量(通常の摂取量とは別)は、一日あたり1.2Lのようです。私個人とすれば、おなかを下しそうでここまでは勧めていませんが。

ただ、もしこの1.2Lの水分量をお茶やコーヒーで置き換えたとしたら、どうでしょうか?

少し専門的な話になりますが、お茶には前述しましたようにカフェインやテオフェリンなど含まれ交感神経を興奮させる作用があります。交感神経の興奮は、唾液の分泌に対して抑制的に作用し、唾液の分泌量を減少させます。また、前述したように利尿作用により、体内の水分量が減少して唾液の分泌量は減少します。また、カテキンなどのポリフェノールの作用としてみると、ポリフェノールによる口臭抑制作用はあるものの、タンパク凝固作用、詳しくはアルカリフォスファターゼ活性を賦活化して殺菌作用を示しますので、唾液自体の酵素も抑制されてしまい、唾液の性能を下げる可能性があります。

一日1.2Lをお水でなく代わりにお茶で行ったと考えるとかなりのカフェインやテオフェリンを摂取することになりますので、通常はそれほど問題とならないこれらの作用も唾液分泌に大きな影響を与えかねません。

 

私もコーヒーが大好きでよく飲みます。お茶やコーヒーが飲み物として適さないと言っているのではなく、唾液の分泌および口腔乾燥という条件のもとで多く摂取すると問題がありそうだという事です。

 

 

2 食べ物由来の口臭

にんにくを食べた→にんにく臭い お酒を飲んだ→お酒臭い 煙草を吸った→煙草臭い

これに関しては、原因が明らかですので考える必要がないと思います。

その食べ物などを食べたことによる一時的なものですから。

 

 

3は長くなるので来月へ。

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