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口臭に関して(2)

- 2015年2月号 -

前回で口臭を大まかに分類しましたので、それをもう少し細かく説明していきます。

 

前述しましたが口臭は大きく以下の4つに分けられます。

1生理的口臭・・・健康な人にも存在する正常な口臭

2食べ物由来の口臭・・・食べ物や飲み物に由来する口臭 例えばにんにくなど

3真性口臭・・・口腔内や口腔外、呼吸器官などに原因がある口臭

4自臭・・・精神的要因によるもので実態のない口臭もしくは自分だけが感じてもの

 

1の生理的口臭。

例えば、起床時直後に口臭を感じると来院される患者さんもいます。人間だれしも寝ている時は唾液の分泌量は著しく低下します。それによって生じる口臭(起床時口臭)であり、生理的なものなので誰もが多かれ少なかれ生じる口臭と言えます。緊張した時、のどがカラカラになって口臭を感じる場合もここに入ります。このように健康な方でも、条件によって生じてしまうものがこの生理的口臭であり、歯科的な治療により改善されるかというとそれは別の話になります。

ただし、後で出てきますが、生理的口臭の大きな原因に唾液の分泌量の低下があることは覚えておいてください。

 

2の食べ物由来の口臭。

「にんにくが大好きで、にんにくを食べたらにんにく臭いと言われる」と言って、来院された患者さんを私は知りません。にんにくを食べた→にんにく臭い、お酒を飲んだ→お酒臭い。当たり前だ!と思われるかもしれませんが、結構、大事なことなのです。

つまり、原因がわかっていれば、例えその時に口臭があっても、その口臭を悩む方はいないという事です。

 

3の真性口臭。

口腔由来の病的口臭と全身由来の病的口臭に分かれます。

口腔由来の病的口臭:口腔内の原疾患、機能低下などによるもの。例えば、虫歯・歯周病・唾液腺の機能低下など

全身由来の病的口臭:耳鼻咽頭・呼吸器疾患など。

 

そして、口臭外来受診患者の約5080%が口腔由来の病的口臭となっています(ゲノム科学時代の歯周病学より引用)

 

4の自臭

本来、口臭がない(もしくはあったとしても生理的口臭)にもかかわらず、自分自身に口臭があると思い込んでしまう精神的要因によるものです。

この程度がひどくなると、「自臭症」と言った状態になってしまう場合もあります。本当は無い口臭におびえ、気になって仕方がないという状態です。相手の挙動に対し不安を抱き、最終的には対人恐怖症や自閉的状況におちいってしまう場合もあります。詳しくは、後述しますが、どうしても精神科的なアプローチが必要となるため、精神科との連携や精神的アプローチがしっかりとできる専門的な知識を持ち合わせた歯科医師でないと対応できないだろうと考えます。よって、程度によりますが、おそらく対処できるのは専門外来をお持ちの医院や精神科であり、一般の開業医には荷が重いと考えます。

ただし、機械の測定によって数値で口臭を見ることによって安心でき改善される場合やこういった口臭に対する知識を学ぶことによって改善される場合もあります。

 

次回からは、それぞれに対する原因と対策に関して考えていきたいと思います。

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