口臭に関して(1)
- 2015年1月号 -
日々の診療では、時間に追われ十分に説明ができない事も実は多々あります。
ただ、例えば虫歯の場合、十分に説明しても残念ながら虫歯は治らないんですね。
基本的に歯科という分野は、治療行為を伴って改善させることが多く、説明だけで治癒、薬だけで治癒という例は少ないと思います。
しかし、そんな中で十分な知識によって改善が見込める可能性があるものもあります。その一つが、今回から解説していく「口臭」になります。
よって、今回から数回にわたって「口臭」に関してできる限り噛み砕いて説明したいと思います。(ただし、これらは歯学部の学生が使う教科書や専門の雑誌を参考にしているため、難しい部分もあると思いますが、出来るだけわかりやすく注意したいと思います)
また、私の個人的な意見が入ってしまう個所もあると思いますので、その際はご了承ください。
少し古い資料ですが、1999年の保健福祉動向調査によると、口臭に悩む人は男性15.8%、女性13.2%、全体で14.5%。また、日本人2627人を対象とした疫学調査によると、一般集団のうち社会的な限度を超えた口臭を持つ人は6~23%存在したとあります。数値を見ても、意外と高いと感じます。
では、そもそも口臭とはなんでしょうか?
口臭とは、人が会話や呼吸をした時に出される息を他人が不快な臭いとして感じた場合を口臭と言う。さらに、他人には感知されないが、自分自身が実際に感じてしまう臭いも含める。
とあります。
これは、比較的わかりやすいと思います。
次に、そんな口臭にも実は種類があります。これは大切なことですから、ある程度詳しく記載したいと思います。ただし、この分類は様々な雑誌や本により異なります。
口臭の種類
1生理的口臭・・・健康な人にも存在する正常な口臭
2食べ物由来の口臭・・・食べ物や飲み物に由来する口臭 例えばにんにくなど
3真性口臭・・・口腔内や口腔外、呼吸器官などに原因がある口臭
4自臭・・・精神的要因によるもので実態のない口臭もしくは自分だけが感じてもの
口臭は、上記の大きく分けて4つに分けることができます。
そして、この中で歯科的な治療で改善される可能性があるものは、実は3のみと考えています。(もちろん専門外来などを持たれている医院では、1・4も対応してくれると思います)
ただし、私自身が大切だと思うのは、本来歯科で治療するべき口臭は3のみであるという事です。
次回は、この分類をもう少し細かく説明していきたいと思います。