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歯科治療の成功率

- 2014年10月号 -

そもそも歯科治療において、成功ってなんでしょう?

例えば、銀歯を被せた場合、それがどれだけ持ったら成功でしょうか?

何を基準にするかが難しいので、歯科全般ではあまりこの言葉は用いられない気がします。

 

そんな中で、実はずっと気になっていることがありました。

歯内療法(歯の根の治療)に関して、その成功率が掲載されていることがあるのですが、私の記憶だと、この治療の成功率(この場合、処置後〇年の段階でレントゲンおよび症状として問題を起こしていないもので、年数はその論文によって変わります)が、新しいものほど低い傾向にあるように感じていました。

 

先日、参加した研修の中で、この成功率に関して調べられた先生の発表を見て納得しました。実際に、成功率とされる数字が、かなり下がっていました。

その研修は根の治療の研修ではない為、そのことについてはあまり触れず、つまりアメリカの専門医達でも根の治療の成功率はこれぐらいしかないという説明のみで終わりました。

 

どうしても気になったので、休憩時間にその先生を追っかけて、少し話をさせてもらいました。

歯内療法(根の治療)の成功率がどんどん下がっているのはなぜか?

昔の先生は、腕が良かったのか?

器具等は新たなものが出てきており、本来ならば上がるはずが、下がっているのはなぜか?

 

結果として、出した考えは共通していました。

レントゲンなどの診査する機材の精度や性能が上がり、昔ならば見えないで成功とされていたものが、今は見えてしまうから成功率がどんどん下がっているのだろうという結果になりました。

講師の先生は「昔の検査が、かなりいい加減だったのかもしれない」とも言っていましたが、それに関しては私は何とも言えませんでしたが。

 

アメリカの専門医レベルで感処(根の先端に膿をためているケース)での成功率が今70%程度のようです。アメリカでは保険がききませんから、残念ながら器具も時間も日本の保険で行う診療とは比べられないほどの精度を誇りますが、それで70%とは。

同じ基準で調べたら、日本の成功率は・・・50%を切るかもしれません。

 

なかなか難しい問題ですね。

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