歯科治療も医療です
- 2013年8月号 -
何をいまさらと思われるかもしれませんが、歯科治療も医療です。
言葉にすると当たり前のようですが、実際、どれほどの患者さん、そして私たち歯科医が理解しているのでしょうか?
抜歯などを行う可能性がある患者さんで高血圧や糖尿病等の全身疾患をお持ちの方は、必ずかかりつけ医の先生に手紙を書き、現在の状態・抜歯に使用する麻酔薬・抜歯後の投薬などを確認します。
中には、「こんなこと今までしたことがない。今までの医院は、黙って抜いてくれた」と、不満を漏らす方もいらっしゃいます。それでも、やはり手紙をもらってきてもらいます。
つい先日は、骨粗鬆症のお薬を服用されている方で、抜歯となる可能性があったため、かかりつけの整形外科の先生にお手紙を書かせていただきました。
抜歯後、腐骨と言って通常のように歯肉が治らず、骨が腐ったような状態になってしまう可能性があるからです。
実際、その患者さんもすぐにその薬の服用を停止し、早くても3か月たってから抜歯してくださいとかかりつけの整形外科医の返信で書いてありました。
なぜ、今このような話をするかというと、最近、受けた研修で、歯科治療も十分危険な治療になりうると改めて思い知らされたからです。
医院の安全対策に対する研修ですから、もちろんそういった症例を集めたのだと思いますが。
まれに歯科治療に伴う死亡症例が新聞に載ることもあります。新聞に載らなくても、私たちの耳に入ってくることもあります。
しかし、それらはほんの一部であり、実際はもっと多くの死亡例などがあると知りました。
長くなりますのでこの続きは、来月に持ち越します。