医療崩壊
- 2012年11月号 -
先日、テレビ番組である病院が取り上げられ医療崩壊という言葉が発せられていました。
現在は大学病院の系列病院なのですが、経営赤字や役所との金銭トラブルにより撤退することが決まったそうです。その病院は都内の緊急搬送数が都内のトップ3に入るとのことです。当然、そのような大きな病院が突如、撤退を言えば、さぞ地域住民の方々は困ると思います。
その後、あとを引き継ぐ予定の病院も現在の医師数には遠く及ばず、医療水準が低下すると非難を受けていました。また、その区の区長にも矛先は向かい、もう一度、大学病院と交渉すべきだとか、医療水準を低下させないと言った言わないの報道がされていました。
最たる被害者は、そこに入院、通院されている患者さんでしょう。
ただ、テレビでの報道しか見ていませんので、あまり大きなことは言えませんが、もっと根本的な疑問がわいてきます。
緊急搬送数が都内のトップ3に入り、医師数が100人を超えるような大きな大病院が、90億を超える累積赤字を出していることが根本的な問題なのではないでしょうか?
大学病院とはいえ、病院は経営ですから、赤字をだしたまま病院の経営を続けることはできないと思います。注射1本、ガーゼ1枚、買わなければ医療は成り立ちませんから。
ただ、患者が多くいるのに赤字が出てしまうこと、その根本を追及する報道は一切、行われていませんでした。本来ならば、そこに原因の大部分があり、そこの改善を図ることが第一なのではないでしょうか?
区長を責める住民の声、それに関して苦しい答弁をする区長、終いには引き継いでくれる病院の理事長にまで「今の医療水準は保てるのですか?」とレポーターが迫っていました。
「水準が保てないので引き継ぐのをやめます」と、次の病院の方が言ったら、どうなるのでしょうか?
この報道を見た時、引継ぎまでもう3か月を切っていましたが、何とか無事、次の病院に引継ぎが行われればと思います。そして、そのような患者が多い病院ですら赤字になってしまう現在の医療体系、医療問題が解決されればと思います。