若い歯科医師よ、大志を抱け!
- 2012年10月号 -
我が母校のクラーク博士の言葉をいじってみました。
最近、若い歯科医師の開業思考がなくなると同時に、技術を身に着けようという向上心も薄れてきていると、ある方が仰っていました。
開業思考がなくなるのは個人の問題で構わないけど、技術を身に着けようという向上心は職業柄なくしてはならないのでは?と強く思います。
確かに、テレビをつければ「今やコンビニより多い歯科医院」という表現が使われ、年間1500件の歯科医院が廃業するとか歯科医師の3人に1人はワーキングプアーだとか聞かされれば、暗い気持ちになるのかもしれません。
ただ、以下の表を見てください。
確かに、今や歯科医院はコンビニよりも多い状態です。それは紛れもない事実です。
そして、それを言われると確かにとても多いように感じます。
しかし「美容室の約1/3の歯科医院数」
「理容室の半分の歯科医院数」
「寺院や神社よりも少ない歯科医院数」 これらの表現もまた事実なのです。
異業種では、もっと激しい競争をしているのではないでしょうか?
歯科医院が少ない時代から比べると、確かに増えたのだと思います。
ただ、歯科医院が増えたことは、決して悪い事ばかりでしょうか?
患者さんが歯科医院を選ぶ選択肢も広がります。
また、逆に都心部では、保険治療を一切行わず、自費の治療のみしか行わない医院も多数あります。歯科医院も患者を選ぶ時代に入ってきたのかもしれません。
歯科にかかわらず、あらゆる事業形態が時代とともに変化していきます。
かつて歯科医師は、年齢とともに大学に残って教授になるか、開業するしかほぼ道はない職業でした。その構造も変化し始めていると思います。
まだまだ小さな当院でも、将来的に勤務医の先生がずっと退職まで勤務していけれる体制を構築できないか考えています。
どんな職業でもそうだと思いますが、時代とともに必ず構造は良くも悪くも変化します。
歯科医師として、どんな環境でも対応できる先生は、やはり人間的にも技術的にも磨かれた先生でしかありません。
お互いに自己を磨き、より良い歯科界を作っていきましょう。