歯科用レントゲンの安全性について
- 2011年6月号 -
開業する親友から、レントゲンをデジタルにしたいけど、デジタルにすると高いし、フィルムの方が安いんだけど、どう思うか意見を求められたことがあります。
私としては断然、レントゲンはデジタルの方がよいと答えました。
撮影画像の見やすさ、説明のしやすさ、画像保存の手軽さ、安全性、どれをとっても以前のアナログに比べるとメリットは大きいと感じます。
ただ、歯科用のレントゲンは極めて安全性が高いと言われますが、どれくらい高いのでしょうか?
昔からそう教わってただ漠然と信じていた部分があったので、簡単に調べてみました。
歯科用レントゲンの放射線量(アナログの場合)
デンタルX線写真(小さなレントゲン写真) 0.01~0.02 mSv
パノラマX線写真(大きなレントゲン写真) 0.03mSv
東京・ニュヨーク間を飛行機で往復したときの放射線量 0.2 mSv
日本人が1年間に自然界から受ける放射線量 1.1mSv
人が白血病や癌を引き起こすといわれている放射線量は1000mSv
胎児に影響があるといわれている放射線量は100mSv
これは歯科用レントゲンを一度に数万~数十万枚撮影しないと起こりえない数値です。
さらにデジタルだと放射線量はおよそ4分の1~多くても半分程度になります。(以前は10分の1と言われていましたが、あれはフィルムのランクをとても落とした場合の数値で、実際はこれぐらいのようです)
さらに、実際治療時には防護用鉛エプロンを使用しますので、もっと少なくなります。
以上の事から考えると、デジタルレントゲンのうたい文句に「妊婦さんでも安心」と書いてあるのは、事実だと思います。
ただ、私が感じる唯一の欠点は、パソコンで読みとったり、データとして保存するため、パソコンがフリーズした場合や不具合が生じた時、レントゲンの撮影が最悪の場合、できない事があります。(実際、当医院でも過去に数回ありました)
そういった場合は、ご迷惑をおかけいたしますが、ご了承下さい。