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できるだけ正確に伝えてほしいと思います

- 2010年11月号 -

テレビ等で、よく医療情報などを伝えているのを見ます。

歯科に関しても、最新歯科治療などとかかれ、テレビに流れているのをたまに目にします。

おそらく私に限らず、同業者からすると、いや、違うんだけど・・・と思うことが、多くあります。

 

親友の歯科医院では、診療台の前にテレビがあるのですが、診療中、患者さんに「先生、あの治療法はここではできないの?」と突っ込まれ、薬品はあったそうですが、その治療法がその歯に関しては適応できないものであること、その治療法の欠点等を説明しても、テレビですべてに当てはまるような発言をされたので、説明に苦労したと言っていました。

 

最近私が見たテレビでは、口の中から歯垢を取り出し、それを顕微鏡で拡大し見せていました。その画像を見て、出演者や会場のお客さんはどよめいていました。

 

勤務医をしていた時、同様の装置がありましたのでその反応は理解できますが、あれは正確に説明しないと患者さんの不安をあおるだけの道具にしかなりません。

勘違いされると困りますが、顕微鏡で口腔内の細菌を見て状況を判断することはとても有意義なことです。

しかし、口腔内に細菌がいるのは普通のことで、どの人の口腔内でも歯垢を取りだして、拡大すれば、通常の人はびっくりします。

私たちが見るのは、菌がいるかどうかではなく(菌がいるのは当然ですから)そこに映ってくる菌の構成であったり、活動性を診査し、歯周病の治療に役立てるものなのです。

 

当医院でも、当初は同様の装置(位相差顕微鏡)を購入しようと考えていました。しかし、かなりの費用がかかる事と、何より正常な菌群で問題ないですよと説明しても、驚いている患者さんに、何か詐欺まがいの行為をしているような感覚を感じていたため、購入をやめました。

 

繰り返しになりますが、口腔内の菌を見て、しっかりと説明できるだけの環境が整えば、位相差顕微鏡はとても有意義なものであることは間違いありません。

 

当院でも、勤務医の先生が採用でき、しっかりと菌の意味を説明できる環境が整えば、購入したいと思っています。

 

 

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