12歳の永久歯の虫歯の本数が平均1本以下に!
- 2016年4月号 -
2014年度の学校保健統計調査によると、12歳児の永久歯の虫歯の本数は1人あたり平均1本となり、調査以来最も少ない数値となったそうです。
12歳というと(個人差がありますが)一般的に12歳臼歯と呼ばれる一番奥の歯(親知らずを除く)が生えはじめ、すべての永久歯が生えそろっていてもおかしくない年齢です。
虫歯だけに限って言えば、生えはじめの永久歯が最も虫歯になりやすく(虫歯菌に対する抵抗性が弱く)、年齢を重ねるごとに虫歯になりにくくなっていきます。(高齢者の根面齲蝕などを除く)
つまり永久歯のこの時期までに虫歯を作らない・治療の介入が必要ないというのは、将来に虫歯を作りにくい歯を作るという事で、とても大きな意味を持ちます。
また、平均が1本というところにも注目していただきたいと思います。
あくまで平均ですので、2本ある子もいれば、0本の子もいます。
以前も書きましたが、虫歯に関しては歯ブラシだけでなく、生活習慣が大きくかかわります。それ故に多くの場合、虫歯がある子は一人で複数本の虫歯が存在します。
つまり、平均は1本だとしても、実際にカリエスフリー(虫歯のない子)は非常に多く、逆に虫歯がある子は一人で複数本の虫歯があるといった状態だと考えます。
虫歯のなりやすさを調べる唾液検査というものがあります。
唾液の量・緩衝能などからその子の虫歯のなりやすさ(カリエスリスク)を調べる検査です。
保険ではできません(当院でも行っていません)が、現在の状態を考えると、この年齢で虫歯が数本あるという段階で、すでに虫歯になりやすい状態ではないのでしょうか?
となれば、検査を行わなくても、間食は定期的か?食生活は乱れていないか?生活習慣は?という事を見直してあげれば良いような気がします。(唾液検査が無駄と言っているわけではありません)
また残念ながら、12歳を過ぎると虫歯の本数は徐々に上がっていってしまいます。
これは、中・高生になると、部活や勉強なので歯科医院にかかる機会が減ってしまう事、間食など親に関係ないところで行えること、夜更かしなど生活習慣が乱れることにより徐々に増えていくものと思われます。
しかし、前述したように虫歯に対して最も抵抗性の低いこの時期に虫歯を作らないことは将来において非常に有効になります。
ぜひ、このままこの年齢の虫歯の平均が下がっていってくれればと思います。