歯周病と心筋梗塞
- 2017年1月号 -
私が学生時代(つまり15年以上前)から歯周病が様々な疾患の原因になったり、発症の引き金になる事、また歯周病と相関性があることが知られていました。
またテレビなどでもよく取り上げられている為、比較的このことは世間に認知されてきているように思います。
そんな中、日本で初めて歯周病と心筋梗塞の関連についての縦断研究の結果が発表されました。
今頃になって、日本で初めて?と思われるかもしれませんが、縦断研究はある一定期間の追跡調査が必要なため、確かに日本で初めてなのかもしれません。
そういえば、学生時代に読んだというか読まされた論文も英語だったため、日本では意外と行われていなかったのかもしれないですね。
さて、話は戻ります。
東京大学大学院医学系研究科と医師らの共同で36~59歳の男性労働者3081人を対象に5年間の追跡調査を実施したところ、歯周病を強く疑われる男性はそうでない男性に比べ、心筋梗塞の発症リスクが約2倍高いことが判明したそうです。
そのメカニズムは、歯周病細菌やその細菌が出す毒素、さらにはそれによって作られる炎症性物質が歯肉の毛細血管を通じて全身の血管や心臓に運ばれ、動脈硬化や血管の閉鎖をもたらすと考えられています。
前述したように、歯周病が様々な疾患と関連があることは、ずいぶん前から知られていましたし、過去のTOPICにも複数回、書いたような気がします。
なかには、歯周病と幸福感にすら相関性があるという研究もありましたから、歯周病と心筋梗塞を取り上げて、何をいまさらとも思ったのですが、日本で初めてと書いてあったので、ついTOPICSに書いてしまいました。