トピックス一覧 topics

画期的な骨造成法

- 2018年1月号 -

インプラントだけでなく、入れ歯でも、もっと言えば自分の歯でもそれを支える骨は非常に重要な要素となります。

 

歯周病で溶かされた骨を外科処置により再生したり、歯周病が進行してこれ以上骨が溶けないように外科処置(歯周外科)を行ったりします。

インプラントでは、不足部分の骨を再生するためにGBRを行ったり、上顎洞という頭蓋骨内の粘膜を押し上げ骨を再生させることも最近は珍しくありません。

 

治療される患者さんも、そして治療する側の歯科医師もなかなか大変な処置ではあるのですが、まだ動物実験の段階とはいえ最近、画期的な方法が開発されました。

 

東京歯科大学・京都大学・アメリカの研究所の共同研究により、口の中に注射することにより顎の骨を作る事に成功したとの発表がありました。

今までは外科処置でしか骨を作ることができなかったのが、注射だけで骨ができるようになればずいぶんと負担は軽減できます。

 

しかも、実際マウスに骨が出来ているレントゲン画像を見ると驚きます。

現在の方法だと、基本的に吸収し凹んだ部分に骨を再生させ平らにする、もしくは細くなった部分に骨を再生させ厚みをつけるという形になります。

一方で、載っていたレントゲンを見ると本来骨のないところに凸に骨が作られています。それが吸収されずにちゃんとした骨として機能するかは今のところは不明ですが、現在の方法では、このような形にしっかりした骨造成することはできないと思います。

 

今、マウスによる動物実験の段階ということは、実際に臨床応用できるようになるまではまだまだ先のようですね。

大学の先生方、頑張ってください!

  • インプラント・審美歯科・矯正歯科 Q&A