たばこと歯周病
- 2020年5月号 -
タバコには様々な害が報告されていますが、歯周病に関しても悪化させる要因となります。
日本ヘルスケア歯科学会により、煙草により歯周病が10年近く早く進行する可能性が示されました。
わかりやすいように報告されていた図を一部、下のように変更しました。
・喫煙者の30代18.8%は、非喫煙者の40代19.7%と同程度
・喫煙者の50代58.7%は、非喫煙者60代の50.7%より悪い数値となっています。
つまり、歯周病進行度は喫煙により10歳程度早まる可能性を示唆しています。
また、同学会の別の調査では、歯科医院における定期的な管理下にあったとしても喫煙者は非喫煙者に比べ、歯の喪失(抜歯のリスク)が約2倍程度になることが示唆されています。
煙草に含まれるニコチンは歯肉の血管を収縮させるため、菌と戦う白血球やリンパ球の働きを弱め、抵抗力が下がります。また、熱による刺激の害も考えられます。
私も禁煙中のため、その難しさは十分承知しています。
ただ、歯科に限らず健康のためには、どうしても避けては通れないように感じます。