立場が変われば理解できる
- 2022年4月号 -
根の治療中、ふと昔の事を思い出しました。
当時は意味が分からなかったことも、今の立場や年齢になってわかることもたくさん出てきます。(当時同じ職場だった先生は読んだら誰のことかすぐにわかると思いますが・・・)
まだ新人の頃、抜いた歯で根の治療を練習していた時にわからないことが出てきました。
手の感覚では閉鎖しているように感じるが、このような場合どのようにすれば良いのだろう?
弯曲が強い事場合、どの号数まで上げればいいのだろう?
本などを読んでそのようにやってもなかなかうまくいかない。
という事で、当時、私の上司だった先生に質問しに行きました。
昼休みの時間を使い、離れた診療所にいるその先生に質問しに行くと
「抜去歯牙(抜いた歯)で何本ぐらい練習したんだ?」と逆に質問され
「20本ぐらいです」と私が答えると
「100本も練習していない奴が、質問にくんじゃねぇ!」と怒鳴られました。
「わからない事があったら、どんどん聞きにこい!」ってわざわざ電話かけてきてお前が言ったんだろ!と思いましたが、そんなことは当然言えず、そそくさと帰ってきました。
しかし、この年齢になると、あの当時、あの先生が言った言葉の意味が分かります。
おそらくあそこで丁寧に教えてもらっても、私自身、その微量な手の感覚に気付かなかったと思います。
その後、繰り返し繰り返し練習して、やっと対応の仕方や、必要な感覚がわかるようになってきました。
「習うより慣れろ」
言葉にすると簡単ですが、いくら言葉にしても伝えられないコツのようなものは、やはりひたすら練習するしかないのかなと感じます。
その事を教えたかったんだという風に前向きにとらえていますが・・・。
う~ん、どうかなぁ。