新聞への掲載
- 2023年9月号 -
先日(7/13)、神奈川新聞の朝刊へ文章を掲載させて頂きました。
文章だけでは伝えるのが難しい内容ではありますが、せっかくなのでトピックに掲載記事および原稿文章を掲載させて頂きます。
(掲載記事)
(原稿)
Q:痛みと腫れで歯科医院に行ったら「もうこの歯は抜かなければいけない」と言われました。歯を抜いた後はどのような治療法があるのでしょうか。抜いた後、そのまま放置してはいけないのでしょうか。
A: 歯を抜いた後、その部位に何らかの補綴物を入れることでかむ機能やかむ力を回復することができます。一般的に次の3つの方法が考えられます。
- ブリッジ
- 入れ歯(義歯)
- インプラント
①のブリッジとは、抜いた歯と隣接する歯を削り、それを土台として歯のない部分までつなげた人工の歯を橋を架けるように装着する治療です。歯にセメントでしっかりとくっついているため安定感があり、歯があった位置に並びますので違和感は比較的少ないとされています。また、保険で定められた素材(金属)であれば保険適応にもなります。一方で、土台となる歯を削らなければいけない事、橋の部分(歯を抜いた部分)でかんだ力は土台の歯に伝わりますので土台の歯には大きな負担がかかるという欠点があります。
②の入れ歯は抜いた歯と隣接、または少し離れた歯にバネをひっかけそれにより人工の歯を固定させる治療法です。歯にかけるバネで固定するためブリッジのように歯を削る必要はほとんどありません。また、取り外せるので歯がない部分と接するところはしっかりと磨くことができます。一方で、他の方法に比べれば固定が弱いため不安定で、かみ心地もはるかに劣り、違和感が最も大きいという欠点があります。
③のインプラントは歯を抜いた部分の骨に人工歯根(インプラント体)を植え込み、それに土台と人工の歯をかぶせる治療です。しっかりと骨に固定されるため安定感があり、かむ力をインプラント自身が受け止めるため隣接する歯の負担が増えること、隣接する歯を削る必要もありません。一方でインプラントは保険がきかず高額な治療となります。また、インプラント体を埋め込むため外科処置が必要という欠点があります。
抜く歯の位置や本数、残った歯の状態なども考慮する必要がありますので、詳しくはかかりつけ医の先生と相談していただきたいと思います。
抜いたまま放置することは避けた方が良いと思います。
歯というのは、前後および上下に歯があることにより今の位置を維持しています。歯がないまま放置すると隣接する歯は歯が無くなってできた空間に傾き、噛んでいた反対側の歯もその空間に飛び出してきます。歯並びを乱し、むし歯や歯周病になりやすくなるだけでなく、傾いてきた歯に好ましくない方向へかむ力が加わるようになります。そのため、多くの歯を失ったまま放置しますとかみ合わせの高さまで変化してしまいます。
適切な時期に適切な治療を受けることがとても大切です。